朝起きると雨は止んでいました。台風の吹返しがまだ残っていて宿の庭の木々はざわめいています。朝食後からチェックアウトの時間までのんびりと部屋で過ごしている間にも、空はだんだんと明るくなり、時には青空が見え隠れするようになって来ました。これは良い兆候です。
宿の庭に車を置かせてもらい、上高地を散策することにしました。ところが宿の外に出てみると昨日とはまったく状況が変っています。駐車したすぐ横が濁流でえぐられて30cmほどの段差が出来ていますし、流れ出た土砂で付近はかなりぬかるんでしまって足場がひどく悪い状態です。これでは車を出すときに車体の一部を擦ってしまいそうですが、今はなんら対策さえもありません。
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とりあえず車を放置したまま上高地散策に出ました。小枝があちらこちらで散らばっている他は特に台風の被害は見当たりません。清流といわれた梓川は山々から流れ出る雨水で濁流と化して石積みの護岸から1m下ほどまで来ていますが被害はなさそうです。山々に囲まれた地形が幸いしたのか見渡しても建物の被害は無く景観も損なわれていませんでした。宿から河童橋を渡り、ビジターセンター、バスターミナル、郵便局、田代橋と廻るつもりです。
観光名所の「河童橋」に到着した頃には大部分が青空で、奥穂高の山頂付近に多少の雲がかかっているぐらいです。いずれも台風でキャンセルしたのか、散策する人影も少なく「河童橋」は我が家の3人で独占状態です。思う存分ビデオや写真を撮り、ビジターセンターで遊び、上高地を満喫していましたがふと気がつきました。
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下からバスで上がってくる観光客が居ないのです。普段ならハイカーなどの服装で登ってくる人をまったく見ません。バスターミナルのほうへ行って見たらなんとバスが居ないのです。ここまでで鈍感な我々も気がつきました。「台風による通行止めで上高地が孤立状態」だったのです。近くに居たバス会社の人に聞きましたら「13時から通行止め解除の予定」だそうで何とか我々も次の宿に向かえそうです。
宿から車を出す為に挨拶に行ったら言われました。
「貴重な体験をされましたね〜。通行止めで孤立状態や、あのかっぱ橋を独占できた人はなかなか居ませんよ。それに台風一過でこんな素晴らしい天気になってよかったですね〜」
私も返答に言いました。
「その他に昨夜のご馳走の数々も忘れられません。巨大松茸は皆に自慢できます。おかげさまで我が家の忘れられないすてきな宿の第1位です。ありがとうございました。」
やはり母がまた行きたくなるというはずです。3人の意見は見事に一致しています。車はやや擦りました。
今日の宿はペンションはなつばき。
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